バランスをとる話カッコカリ

はじめに

こんにちはこんばんは、最近はメイドではないメイド長です。 久しぶりの記事の投稿は ドアカン Advent Calendar 2019 13日目の記事です。

先日開催されたドアカン2019では好きな物について語ったのですが、想いが溢れすぎて収拾がつかず"ソレ"を知っている人にしか伝わらない内容になってしまった気がします。反省してこの記事では初心者向けに"ソレ"について書いていきます。"ソレ"と何かと言いますと

Michael Moorcock作品

皆さんもご存知の通り"エルリック・サーガ"、"紅衣の公子コルム"、"ルーンの杖秘録"と言った"永遠の戦士(エターナルチャンピオン)シリーズ"のことです。当然みなさんはどの作品も熟読していることでしょう。しかし、極稀に読んだことが無い方と出会います。読んだことの無い方からは「どの作品から読んだら良いのかわからない」と言われます。全人類必読の作品群と言えども、手を着ける順番を気にしてしまい、まだ読めていない方がいるのは、確かにあり得る話です。そのような方達向けに、私がお勧めする読む順番を紹介します。さすがに全作品の順番を書くのは私の手に余るため、"永遠の戦士(エターナルチャンピオン)シリーズ"の中で四者と呼ばれるエルリック、コルム、エレコーゼ、ホークムーンに加えフォン・ベックの五作品に絞って紹介します。


1番目

最初はこの二つのどちらかを読むのが良いでしょう。エルリック・サーガ旧シリーズというのは"メルニボネの皇子"から"ストームブリンガー"までです。エルリック・サーガは"ストームブリンガー"で一区切りがつきます。この区切りは"永遠の戦士シリーズ"の中で節目になっているので新シリーズは後述のタイミングで読んでください。
"エルリック・サーガ旧シリーズ"と"紅衣の公子コルム"のどちらを先に読めば良いのかですが。エピソード毎に微妙に作風が違うことに慣れているかどうかで変わってきます。"エルリック・サーガ旧シリーズ"は作品中の時系列と書かれた順番が違うため、"永遠の戦士シリーズ"(の四者のシリーズ)で重要な要素である"宇宙の天秤"、"秩序(法)"、"混沌"、"多元宇宙"の扱いがエピソード毎に変わってきます。通好みの読み方としては書かれた順番で読むというのもありますが、作品内の時間が錯綜するので最初はお勧めしません。この点"紅衣の公子コルム"では書かれた順番が作品内の時間と同じ順であり、またMoorcock氏が世界観を確立した後に書かれた物なので丁寧に説明されています。ではなぜ"紅衣の公子コルム"一択でないのかというと、"紅衣の公子コルム"では世界観が綺麗にまとまりすぎている問題があります。人によっては"紅衣の公子コルム"の後に"エルリック・サーガ"や"エレコーゼ・サーガ"を読むのがつらくなるかも知れません。どっちも好き過ぎて順番がつけられないというのもありますがw
片方のシリーズを読めばもう一方は、後述の"ここまでに読んで下さい"までの好きなタイミングで読んで下さい。

エルリック・サーガ 旧シリーズ

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF) この世の彼方の海 永遠の戦士エルリック 暁の女王マイシェラ 永遠の戦士エルリック ストームブリンガー 永遠の戦士エルリック

紅衣の公子コルム シリーズ

剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF) 雄牛と槍―永遠の戦士コルム〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)


2番目

  • エレコーゼ・サーガ

"永遠の戦士シリーズ"の中核(と言っていいのかな?)の人格であるエレコーゼの物語です。"エルリック・サーガ"や"紅衣の公子コルム"にも登場するエレコーゼは彼らとの会話でエルリックやコルムとは違った雰囲気を醸し出しています。何がどう違うのかは読んでみて下さい。"宇宙の天秤"、"多元宇宙"、"宿命"が如何に彼を振り回して、彼の人格を形成し破壊したのか見て取れます。個人的には難解なので一番最初に読むことはおすすしません。"黒曜石の中の不死鳥"と"白銀の聖域"(今回は紹介しません)ってなにかつながっているんですかね?

エレコーゼ・サーガ シリーズ

黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF) 剣のなかの竜―永遠の戦士エレコーゼ〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)


3番目

ドリアン・ホークムーンを主人公にした物語の前半です。後半は"ブラス城年代記"というシリーズ名がついており、読むタイミングはもっっと後です。一度文明が崩壊した後の未来を舞台にしており、"ルーンの杖秘録"はその名の通り"ルーンの杖"が出てきます。今までの主人公はそれぞれ"黒の剣(総称)"という"混沌"を打ち破る為に"混沌"よって作られた剣を持ってい(手に入れ)ます。エルリックストームブリンガー、コルムはトレイター(リンとクヴィルの該当する思うんだけどね)、エレコーゼはカナヤーナ、冷たき剣、竜の剣に対する、秩序の道具が"ルーンの杖"です。各戦士の元に顕現する"黒の剣"に対応する"ルーンの杖"の活躍に期待・・・。
ドリアン・ホークムーンを主人公にした物語は"ルーンの杖秘録"と"ブラス城年代記"に分かれています。この段階では"ルーンの杖秘録"までで止めて下さい。"ブラス城年代記"を読むのはもっと後です。

ルーンの杖秘録 シリーズ

夜明けの剣<ルーンの杖秘録3> (創元推理文庫) 額の宝石 【新版】 <ルーンの杖秘録1> (創元推理文庫) 杖の秘密  ルーンの杖秘録4 (創元推理文庫) 赤い護符【新版】 <ルーンの杖秘録2> (創元推理文庫)


4番目(?)

このニ作品の内でまだ読んでいないものがあれば、このタイミングで読んで下さい。


5番目

  • フォン・ベック

四者には含まれませんが、たまに他の作品にも名前が出てきます。彼(?)の生い立ちや登場人物がこの後に続くシリーズに絡んでくるのでここに含めました。

フォン・ベック シリーズ

軍犬と世界の痛み (ハヤカワ文庫SF ム 1-31 永遠の戦士フォン・ベック 1) 秋の星々の都 [永遠の戦士フォン・ベック2] (ハヤカワ文庫SF)


6番目

ドリアン・ホークムーンを主人公にした物語の後半です。次に紹介する"エルリック・サーガ新シリーズ"が無ければ"ブラス城年代記"を最後に持ってきていました。人によってはこっちを最後に勧める人もいるのではないかと思います。"ルーンの杖秘録"でHaapy Endを迎えたホークムーンですが異変が訪れます。死んだはずの人が生きていたことになり、生きていたはずの人が・・・。当然、ホークムーンの心は壊れていきます。そんなホークムーンの旅が"永遠の戦士"のフィナーレとなる物語となっていきます。

ブラス城年代記 シリーズ

ブラス伯爵―ブラス城年代記〈1〉 (創元推理文庫) ギャラソームの戦士―ブラス城年代記〈2〉 (創元推理文庫) タネローンを求めて―ブラス城年代記〈3〉 (創元推理文庫)


7番目

最後はこれです。"永遠の戦士"の戦いは"ブラス城年代記"で終止符が打たれます。打たれた故に"ブラス城年代記"が完結編と言えます。言えるのですが、これを読んでみると、最後のエピソードとして考えるとこちらの方が相応しい内容になっています。書かれたのが現実時間でかなり後の方なので、Moorcock氏が"永遠の戦士"シリーズを完成させるために書いた物ではないかと思う内容になっています。

エルリック・サーガ新シリーズ

夢盗人の娘 永遠の戦士エルリック スクレイリングの樹 永遠の戦士エルリック 白き狼の息子 永遠の戦士エルリック


さいごに

以上が私がお勧めする"永遠の戦士"シリーズを初めて読む人向けの順番です。読んだことが無いという人がこの世にいるとは思えませんが、希少性の高い未読の方向けに書いてみました。皆さんのお勧めする順番があったら教えて下さい。きっと楽しいやりとりになると思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。 ではではー。