TOCfE国際認定プログラム 2017新橋 #12 書きづらかったことは、あとになっても書きづらい
BGM: シンギュラリティ
はじめに
この記事の注意事項
図の全体像
中間目標(Intermediate Objects)の3回目です。 今回で中間目標は終わりです。
中間目標一覧
全体図から抜粋した中間目標の内、上六つを前回消化しました。今回は最後の二つと対応する中間目標を書かなかった障害に対する中間目標を解説していきます。
その場にいた人たち全員が、またこの場のメンバー(notグループ) で一緒にトレーニングをやりたいと思う各参加者が自分に合った相談の場や相談者を得る終了後普通に食事ができる休憩時間や終了後に参加者が私に対しAgileやNLPなどの話題をふってくる参加者のクラウドの学習目標を達成度が、私との相性に依存していない参加者から「大和が講師をする認定に参加したい」と言われる- 質問や話題がテキストのどこの話かテキストを見ずともわかり、自分の解釈を話せる
- 当日の事を想像したり考えたりしたときに、どう楽しむかをイメージしているようになる
中間目標の注意点(前回と同じ)
全体図には、飛び交う矢印や「なぜならば」などのフレーズがあったり、アンビシャスターゲットツリーを知らないとわかりづらいところがあります。内容の解説へ入る前に、ざっくりと中間目標の説明をします。
- 「先に出した障害を乗り越えたといえる状態」で書く。
- 「何をするかではなく、どうなっていればいいか」「どうなれば、アンビシャスターゲットの達成を妨げている障害を乗り越えたと言えるか」で書く。
- 障害を乗り越えようとする行動を出したくなるが、必要なのは乗り越えられるかどうか。乗り越えたと判断できるかどうか。
- "私"が主語になる動詞では書かない。もしくは、"私"が主語の場合は受動態になる。
- なぜ乗り越えられるのかを説明する。
このように中間目標というのは、中間とはいえ目標としてしっかりと書かなければいけません。アンビシャスターゲットツリーでは障害と結びつかない中間目標は中間目標ではないのです。というわけで、中間目標はこんなテンプレートで書いていきます。
では、本題に入りましょう‼ Ready Go!!
IO7 質問や話題がテキストのどこの話かテキストを見ずともわかり、自分の解釈を話せる
中間目標 |
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質問や話題がテキストのどこの話かテキストを見ずともわかり、自分の解釈を話せる |
理由 |
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把握/理解していなければ、自分の解釈を持てない |
対応する障害 |
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公式テキストの内容を把握しきれていない |
対応する障害の理由 |
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受講者以来、全体を通してテキストを読んでいない |
認定のファシリで参加したときも全ての時間に参加していない(1日休み, 途中外出) |
IO7 解説
短く書くと「公式テキストの内容を把握している」となる。しかし、単に「公式テキストの内容を把握している」では把握の判断基準がわからない。「判断できる状況」を表現した結果、このIO7の形になった。一言一句暗記していて、そらで言える必要はないにしても「この辺りのページに書いてあります」や「その質問については、この後のここのステップで話します。でも、まだ見ないで下さいね。」くらいは言えるようになっておきたかった。
このIO7にも表現の甘さがある。「自分の解釈を話せる」の部分。曲解やオレオレ解釈でも良いとは思っていない。テキストブックを暗記して内容意味を考えずに話したりはせず、意味を理解した上で、そのタイミングに適した表現で話せることを意図している。
直すとするならば
質問や話題がテキストのどこの話かテキストを見ずともわかり、テキストブックに書かれたことの意味を理解した上で、そのタイミングに適した表現で話せる
と言った感じだろうか。
ただ、この修正案は色々な要素を盛り込み過ぎな感もある。
IO8 当日の事を想像したり考えたりしたときに、どう楽しむかをイメージしているようになる
中間目標 |
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当日の事を想像したり考えたりしたときに、どう楽しむかをイメージしているようになる |
理由 |
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不安/不満が先行すると、無意識に「楽しむイメージ」を行うのはできない |
対応する障害 |
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その場で自分をコントロールできない可能性への恐怖 |
対応する障害の理由 |
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認定の講師という場の経験が無い |
参加者がどういう人たちかわからない |
自分の慣れた場作りが通用する確信が無い |
対応する障害 |
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NPO主催のイベントへ参加することに気が乗らない |
対応する障害の理由 |
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NPOの動きに不信感を持っている |
不信感のあるNPOの関係者と思われたくない |
IO8 解説
このアンビシャスターゲットツリーを描いていたとき、当日のイメージがとにかくネガティブな感じだった。乗り越えた場面のイメージでは無く、予想外のでき事に振り回れたり、反発を受けまくったり、NPO関係者や他の講師から横やりが入ったり、色々とイライラする場面のイメージが頭の中に展開されていた。これのイメージが障害にある恐怖の現れである。そこで、障害の文章を反転させるのではなく、今の(そのときの)脳内を反転させてみた。単純に文章を反転させて"安心"とか書くよりも、実感を伴った形で書けている良い中間目標だと自画自賛している。
IO9 障害「ファシリテーターがfEのツールは論理だと思い込んでいる」に対応するもの
中間目標 |
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なし |
理由 |
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なし |
対応する障害 |
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ファシリテーターがfEのツールは論理だと思い込んでいる |
対応する障害の理由 |
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なし |
IO9 解説
「ファシリテーターがfEのツールは100%を論理で表現するツールだと思い込んでいる」という表現が私の想いをより正確に表している。だけど足りない部分もある。「ファシリテーターがfEのツールを使えば論理的に考えていると言えると思い込んでいる」というのもある。 どのツールも描いている段階での正確さの判断基準は「しっくりくるか」である。要するに描いている人達の主観で納得できるか否かである。そんな代物だから、ファシリテーターによるフォローも所詮はファシリテーターの主観でしかない。そこで出てくるのが「ファシリテーターの主観でしかない」ことを自覚していないファシリテーター様。私の観測範囲において、この自覚していないファシリテーター様たちは"受講者の感情論や非論理的な解説をぶった切る論理的な私"とドヤ顔を決めてくださるのだけど、受講者からは「あんたの好みだよね」と思われている事が多い。自覚しているファシリテーターはあくまで自分にどう見たかと前置いて話す。だから、受講者も一つの正解はなく、ファシリテーターの考えも別の視点の一つとして聴く。自覚していないファシリテーター様たちの場合は一人悦に浸りながら高説の語り、受講者からは単なる道化として見られる。こうなると国際認定プログラムの場として崩壊してしまう。 従って、この障害をひっくり返した「ファシリテーターがfEのツールは論理だと思っていない」では中間目標とは言えない。 中間目標とするなら 「ファシリテーターがファシリテーターとして機能する」 とするのが妥当だろう。
IO10 障害「ファシリテーターは参加者がfEに対して肯定的だと信じている」に対応するもの
中間目標 |
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○○○ |
理由 |
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△△△ |
対応する障害 |
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ファシリテーターは参加者がfEに対して肯定的だと信じている |
対応する障害の理由 |
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××× |
解説
これは直前の障害「ファシリテーターがfEのツールは論理だと思い込んでいる」に近しいものがある。TOC/TOCfEに自分の主軸を置いてTOC/TOCfEを愛してやまない人は「TOC/TOCfEは正しい -> 正しいことを推進している私は正しい -> 正しい私は賞賛される」と考える(もしくは無意識に信じてる)傾向があるのが今までの観測で私が実感するところである。 この手のファシリテーターが、否定的な意見に出くわすと、そのグループは険悪になり易い。またファシリテーターがfEを盲信していなくても、否定することを目的として参加している受講者がいると同様に険悪になり易い。 受講者とファシリテーターの関係性を不要に険悪な状況にする必要も無く、むしろ不要な険悪さは避けた方がいいと思う。 従って、アンコントローラブルな受講者の想いよりも、比較的コントローラブルなファシリテーターの想いに何かしらアプローチするのが現実的だと考えた。 そこから出てくる中間目標は 「受講者のfEに対する肯定的意見も否定的意見も、ファシリテーターが受け止められるようになっている」 という感じだろうか。 この中間目標が正確だとすると、元となる障害は中間目標が先にあっての障害、つまり順序が逆になってる。この障害は煮詰めが足りないのだろう。
ちなみに意図的に講師(私)と受講者の関係を崩しにかかったのは横に置いている。 だって気にくわねーじゃん。身につくかどうかでは無く、おだてて気分を良くしてもらうを優先して求められるとかさ。
まとめ というか 後記
想像以上にあっけなく中間目標の最終回に・・・なりませんでした。IO8まではさくっと記事を書き進められたんですけど、中間目標を書いていなかったIO9からは全然進まない。気分が乗らない。見たくない。投げ捨てたい。なんて思っている内に、結局2週間以上かかってしまいました。そんな障害だから、去年の秋にATTを描いたときにも、中間目標を書けなかったんだろうな。
ちなみに削除した毒満載の部分が存在します。毒を載せると感情の暴走が止まらないし、載せないようにするとストレスが溜まる。ほんと厄介でした。余談と銘打って書くだけ書いて置いて、見直した際に削除しました。とりあえず吐き出すのは大事だね。
次回予告
次回からはTrT(移行ツリー)、具体的な実行計画です。そのTrTは中間目標を達成する為のTrTにはなっていません。そこで、次回は描いたTrT全部とATTと分離した理由や想いを書いていきます。次々回以降はTrTを一つひとつ解説していきます。 ではではー。
これまでの記事
第1部 エイトフレームアウトカム編
第2部 アンビシャスターゲット編